“うちの子供はみんな小さい頃から仲がいいんですよ…!”。
羨ましい限りの言葉です。
しかし、小さいときから兄弟仲がいくらよくても、それぞれが結婚して家庭を持ち、生活がかかってくると、「相続」が思わぬ展開で「争族」になってしまうケースが少なくありません。
相続は介護問題と複雑に絡み合っています。
おれが最後まで面倒見たんだ…とか、お前は家賃も払わずに一緒に済んでいて得をしたんだ…とか、さらには生前にお父さんがこう言っていた…とかいう話が出て、子供のときは仲がよかった兄弟なのに、相続発生前から話しがこじれて、絶縁関係になってしまうという悲劇はよくあります。
こうした問題をめぐって、骨肉の争いが繰り返し起こっています。
こんな話をしますと「うちに限ってそんなことはない」と必ずおっしゃいます。
しかし、現実に起きているのです。あなたの身近な友人・知人のあいだでも、1度や2度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
そしてあなたご自身が、この不幸な争いにまきこまれる可能性だって、充分あり得るのです。
「相続はお金持ちだけの問題」という誤った認識があります。
その認識が一般家庭の相続準備を怠らせ、問題を複雑にしています。
最高裁判所の「司法統計年鑑(平成22年版)」によれば、遺産分割訴訟の金額別割合は以下のようになっています。
1000万円以下 | 30.9% |
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5000万円以下 | 43.3% |
1億円以下 | 13.2% |
5億円以下 | 7.3% |
5億円を超える | 0.6% |
紛争件数の74%が、相続税と関係がない5000万円以下の遺産分割です。
相続問題は、起こるはずがない…と思っているところで、起こっているんですね。
親としては・・・、常日頃から「兄弟仲良く」を家のモットーとして、相続税が課税されなくても、子供達に争いの種を残すことのないように、充分に時間のある早い段階で、相続財産・相続人・分割方法などをじっくり検討し、親の考えをきちんと子供たちに伝えておきましょう!